思い出は脳が勝手に編集したいいかげんなものであるという事実
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「Think Clearly」という自己啓発本を読みました。心理学と哲学とトップ投資家の洞察力の3つを分析し、人生を豊かに過ごすための考え方を道具として読者に届けようとするものです。52の考え方が紹介されていて、なかなか考えさせられる書籍でした。
Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法
- 作者: ロルフ・ドベリ,安原実津
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2019/04/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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思い出づくりよりも、今を大切にする?
その中のひとつに、「思い出づくりよりも、いまを大切にしよう」というのがありました。
私たちは思い出を大事にする生き物です。思い出に残る旅、大事にしたい青春時代の思い出、記録より記憶に残る選手になりたいなど、思い出にまつわるフレーズをよく耳にします。確かに素敵な思い出にふけることは、私たちに幸せな気持ちをもたらしてくれます。
私は、思い出は大事なものだと思うのに、一体著者は何を伝えたいんだろう…と疑問を持ちながらこの節を読みました。
思い出は脳が都合よく作る
本書によると、思い出というのは、実は脳が勝手に都合の良い情報だけを編集していて、過去の事実を正しくは覚えていないそうなのです。
脳は最も印象的な思い出と最後の思い出だけしか記憶しない性質があるそうで、ダニエル・カーネマン博士はこれを「ピーク・エンドの法則」と名付けています。多くの実証実験からも証明されているそうです。
確かに「連休中何してました?」とか聞かれても印象的なイベントと連休最終日のことしか思い出せません。長期の旅行に行っても、最も楽しかったことと、最後のことしか覚えておらず、スマホの写真をみて「あ〜、ここも行ったね」みたいなことが多々あります。昔の恋人との思い出もそんなものではないでしょうか。
今この瞬間の経験は未来のため
ピーク・エンドの法則は確かに存在していることは自分の経験からもわかります。こうなってきますと、どうせ脳に都合よく編集されてほとんどが忘れ去られてしまう記憶なのだから、思い出を作ることを目的として、この瞬間を大事にしないのは本末転倒なのがよくわかります。
著者は「人生で最も大切なものは経験である」と述べ、「経験は思い出にするものではなく、未来のために使うものだ」とも述べています。
とてもいい考え方の道具だと思いませんか?
今この瞬間の経験を思い出にするためではなく、未来のために使うんだと思えば、楽しいことも辛いことも受け止め方が全く変わってきます。
私生活も仕事にも、この考え方の道具を大事にしていきたいと本当に思いました。
Think clearlyには、他にもよりよく生きるための思考の道具がありました。また、どこかでご紹介したいと思います。皆さんも機会があれば一度読んでみてはいかがでしょうか。
それでは